
毎年夏、アメリカの大手キッチンキャビネットメーカー「MasterBrand(マスターブランド)」は、インテリアデザイナーや愛好家たちが注目する年次トレンドレポートを発表します。
2026年版のレポートは、7,000以上の販売店と提携するデザイナーへの調査に基づいており、キッチンキャビネットのデザインにおける主な変化について深く掘り下げています。Real Simpleによると、MasterBrandのデザイン&トレンド部門ディレクター、ステファニー・ピアース氏が来年に向けた重要なポイントを共有しました。
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ミックススタイルが主流に、ファームハウススタイルも根強い人気

MasterBrandの調査によると、現在最も人気のあるキッチンキャビネットスタイルは「ソフトモダン」「トランジショナル(過渡的)」「モダントラディショナル(現代的伝統)」の3つです。ただし、トランジショナルスタイルは近年人気が急落しています。シンプルなラインとニュートラルな色合いが特徴のこのスタイルは2000年代後半から主流でしたが、今では衰退傾向にあるといいます。
ピアース氏によると、今年トランジショナルスタイルを支持した人は38%にとどまり、過去には約70%の支持があったことを考えると大幅な減少です。「このスタイルは、景気後退時代に安全策として誕生した保守的な選択でした」と彼女は説明します。
かつては対極にあったモダンとトラディショナルの要素が、今では融合され「モダントラディショナル」というハイブリッドスタイルに変化。そうした中でも、ファームハウススタイルは今なお人気ですが、従来の素朴で田舎風なものではなく、より現代的でカジュアルな雰囲気に変化しています。
「今のファームハウスは、より気取らず実用的です」とピアース氏は言います。「白を基調とした要素は残っていますが、より多様なスタイルとの融合が進んでいます。」
白いキャビネットは本当に時代遅れに

2026年レポートで特に注目されたのは、10年以上キッチンで主流だった「白いキャビネット」の人気がついに終焉を迎えたという点です。9年連続で首位だった白い仕上げが、初めて1位から陥落しました。
ピアース氏によれば、現在は「明るい塗装仕上げ」がトップに立ち、次いで「オフホワイト」が人気。さらに木目調のトーンも人気が急上昇しています。明るいキャビネットの需要は続いているものの、「中間色(ミディアムトーン)」が今後の主役になる兆しがあります。
「明るいトーンで空間を明るく保ちつつも、視覚的なコントラストが求められており、その答えが中間色です」とピアース氏。2027年には、こうしたトーンが主流になると予測されています。
色使いはますます大胆に

ミディアムトーンや白の衰退に加え、今回の調査では、キッチンキャビネットにおける「大胆な色使い」が著しく増加していることも判明しました。これまでアイランド部分に限定されていたカラー使いが、キッチン全体に広がっており、わずか2年で15%もの増加が見られました。
白やオフホワイトは今でも使用されていますが、現在では「脇役」または「アクセント」としての位置づけに変化しています。「今や多くのキッチンでは、2~5種類もの異なる仕上げが使われています」とピアース氏。こうした多彩な仕上げが、より個性的で豊かなビジュアルを生み出しています。
ホワイトオークは依然として人気の木材

ウォールナット、ピーカン、チェリーといった木材へのステイン加工が増加している一方で、ホワイトオークは依然として最も好まれている木材です。高級感があり、耐久性にも優れるホワイトオークですが、成長が遅く、持続可能性の面では課題もあります。
ピアース氏は、より手頃で入手しやすい「レッドオーク」でも似たような見た目を再現できると語ります。「レッドオーク用に開発した明るめのステインは、ホワイトオークと同じような木目の美しさを引き出せます」とのこと。とはいえ、ミディアムトーンの台頭により、ホワイトオークの使用は今後徐々に減少すると見られています。
カスタムパントリーの人気が上昇中
MasterBrandの調査では、ウォークインクローゼット風のカスタムパントリーの需要が高まっていることも明らかになりました。新築ではほぼ標準的なリクエストとなっており、リフォームでは戦略的な設計が求められています。
このような広々としたパントリーを設置するために、ダイニングルームのようなフォーマルな部屋を手放す家庭も増えています。「私のお気に入りの例は、ダイニングルームをランドリールーム、玄関ホール、そして整理されたパントリーに変えた家です」とピアース氏。「こうした空間の方が、年に数回しか使わない部屋よりも、ライフスタイルに価値をもたらします。」
出典:RealSimple
このコンテンツはAIの支援により作成され、編集チームによって確認・修正されました。
